南国“パイナップル”系ランシオ・コニャックと銘打たれた、極上コニャック。
わたくしもテイスティングしましたが、パイナップルの他にもキウイ、バナナパンケーキ、グアバ、台湾マンゴーなどなど間違いなくトロピカルで間違いなくお薦めです。
家々で古酒を守っているコニャックといえど、よくぞこれほどの樽を次々に見つけて瓶詰めされるなとDORAS中森さんには感服致します。ヒット率というかホームラン率が高い正真正銘のホームランバッター、凄いです。いつも安心してお客様にお薦めできます。
私が中森さんの輸入経緯で特に注目している部分が、「即決で購入を決めたか」どうかです。私自身も商品を購入する機会がありますので感じるのですが、本当に良いものは飲んだ瞬間に「買いたい」という気持ちが心の底から沸いてきます。他のサンプルがあっても迷いません。今回の原酒も中森さんの「即決でまったく迷っていない」様子がひしひしと伝わりました。毎回即決とはいかないかもしれませんが、この即決系は、大当たりであることが実際に非常に多いと感じます。
飲む前から美味しさを確信して、飲んで「やはり!」となる。なかなかこのような商品は御座いません。今回もみなさまに自信を持ってお薦めさせて頂きます。普段ブランデーを飲まない方でも、このボトルはお持ちになって良いかと存じます。よろしければご検討下さいませ。
<ローリシェスとポール・ボーのブランドについて>
ブランドオーナーであるオリヴィエ・ローリシェス氏は、
父方と母方、両方にコニャックメーカーの血筋を持ち、2 つの家系の遺産(ダブルヘリテージ)を継承し、現在は2つのブランドとそれぞれの原酒を所有しています。
父方は、コニャック地方の中でも最高峰の“黄金の3角地帯”と称されるヴェリエール村に 100 年以上前から根を下ろしてきたローリシェス家。
母方は19 世紀末にサミュエル・ボー氏が築いた名門ポール・ボー家。
ローリシェス、ポール・ボー両家の貴重な長期熟成からDORAS中森さんが選んだのは、ポール・ボーの1985!当店からの説明はここまでです!あとは飲んでご堪能下さい!
以下、輸入元資料
《世界のコニャック愛好家から話題のローリシェス社ポール・ボーより日本初の PB。1985 年・40 年熟成が生んだ南国“パイナップル”系ランシオ・コニャック》
【輸入経緯】
コニャック地方 6 つの地区の中でも最高峰と称されるグランド・シャンパーニュ(GC)地区。その中心地スゴンザックには何世代にも渡りブドウ栽培と蒸留を営んできた、栽培から瓶詰めまでを自家で行うプロプリエテールのコニャック農家が数多く存在します。
現在、世界中のコニャック愛好家から高い評価を受ける「Laurichesse (ローリシェス)」と「Paul Beau(ポール・ボー)」。しかし、その二つのブランドの関係は公開情報が少なく、私自身も現当主へ何度も質問を重ねて理解することが出来ました。
ローリシェス家の現オーナーはオリヴィエ・ローリシェス氏とレア・ローリシェス氏のご夫妻で、共にスゴンザック出身です。オリヴィエさんは GC 地区でも超長期熟成に適した“黄金の 3 角地帯”と称されるヴェリエール村に 100 年以上前から根を下ろしてきたローリシェス家の後継者となります。アルザスやメドックで醸造学を学び経験を積んだ後、2003 年に故郷へ戻りました。そして 2015 年には、自らヴェリエール村とアンジャック・シャンパーニュ村に約 40ha の畑を構え、本格的に栽培・蒸留を開始しました。
一方のレアさんは、若い頃からワインや蒸留酒に強い関心を持ちアメリカへ渡り、ニューヨークのインポーターでの勤務経験を経て帰国しました。スゴンザックの蒸留酒大学で学んでいた 2010 年にオリヴィエさんと出会いご結婚され、以来二人三脚でコニャック造りに携わっています。
オリヴィエさんの父ギィ・ローリシェス氏は、「ヴェリエールの畑は少なくとも 5 世代に渡り一族が守り続けてきた」と語っています。しかし、それ以前を証明する記録は残されておらず、その歴史は家族の記憶として今日まで受け継がれてきました。
長年、ローリシェス家はブドウ栽培と蒸留に専念し、自らブランドを立ち上げて販売することはありませんでした。その伝統を世界へ紹介するため、2018 年にオリヴィエさんとレアさんによって誕生したのが「Maison Laurichesse(メゾン・ローリシェス)」です。これはギィ・ローリシェス氏が 1970 年代に蒸留し、長年熟成庫で眠っていた貴重な原酒を世に送り出すためのブランドとして始まりました。
一方、オリヴィエさんの母シモーヌ・ローリシェス氏は、19 世紀末にサミュエル・ボー氏が築いた名門「Petit Beau(プティ・ボー)」家(ポール・ボー家系)の血筋を受け継いでいます。サミュエル・ボー氏はスゴンザックで葡萄栽培と蒸留を営み、その品質は 1902年、1910 年のスゴンザック農業品評会において金賞など数々の栄誉を受けました。
その後、息子ポール・ボー氏へと事業は受け継がれ、長年に渡り大手メゾンへ原酒を供給しながら歴史を刻みました。そして 1977 年、自らの名を冠した「Paul Beau(ポール・ボー)」ブランドを正式に立ち上げ、自社栽培・自社蒸留・自社熟成によるプロプリエテールとして、その歴史を新たな時代へと刻み始めました。
レアさんは現在のオリヴィエさんを「double héritage(2 つの家系の遺産)」という言葉で表現してくださいました。父方から受け継いだヴェリエール村の伝統はローリシェスとして。母方から受け継いだスゴンザックの伝統はポール・ボーとして。両家が歩んできた歴史と遺産を未来へ受け継ぐ存在、それが現在のオリヴィエさんなのです。
私が初めてポール・ボーを訪れたのは 2017 年 6 月でした。渡仏前にポール・ボー家のホームページから見学希望のメールを送ったところ、返信をくださり当日案内してくださったのがオリヴィエさんの叔母にあたるコレット・ローリシェス氏でした。蒸留所を丁寧に案内していただいた後、テイスティングさせていただいたのが、創始者サミュエル・ボーの名を冠した「Lignée de Samuel(リニュ・ドゥ・サミュエル)」で、1930 年と 1950 年の蒸留原酒をブレンドしたポール・ボー家の遺産ともいえる特別なコニャックでした。その香味に深く感銘を受け、購入を即決しました。
以降、毎年のコニャック訪問では必ずコレットさんにアポイントメントを取りポール・ボーを訪れ、このリニュ・ドゥ・サミュエルを分けていただくことが恒例となりました。BAR DORAS において欠かすことの出来ない 1 本となりました。2020 年 1 月 15 日の訪問時もいつものようにリニュ・ドゥ・サミュエルをテイスティングしていました。その際、コレットさんからポール・ボーを取り巻く環境が大きく変わろうとしている話を聞きました。
当時の私は、資産売却や所有権移転が関わるその細かな内容を完全には理解出来ませんでしたが、これまでとは違う時代が訪れようとしていることだけは感じていました。コロナ禍中 2022 年 2 月のコニャック廻りではご主人を亡くされたコレットさんにお悔やみの言葉を添えて訪問しましたが、もうポール・ボーのコニャックはここでは販売出来ない話を受けました。
その次の 2023 年には「ポール・ボーのブランドは消滅した」とも報じられていました。旧 BAR DORAS が 2023年12月末でピリオドを打ち、2024 年 4 月のコニャック廻りではスゴンザックの農協でローリシェスのコニャックを試飲しました。グラスを口に近づけた瞬間、思わず手が止まり、その貴熟感溢れる香りとフルーティな味わいに一目惚れをしてボトルを購入しました。
コニャック町のホテルに帰り、ローリシェスを調べると資産売却や所有権移転は分からずもポール・ボーがローリシェス社の 1 つブランドとして復活したことを知りました。次のコニャック廻りではローリシェスを訪問しようとこの時心に誓いました。
オリヴィエさんはシモーヌ・ローリシェス氏から、スゴンザックに位置する 20ha の畑と歴史あるファミリーブランド「ポール・ボー」が託されました。一度は市場から姿を消したポール・ボーでしたが、その歴史は終わったのではなくオリヴィエさんへと受け継がれ、「メゾン・ローリシェス」のもとで新たな歩みを始めていたのです。
2025 年 11 月の訪問アポイントメントを取るためいつものコレットさんでなく初めてローリシェス家へメールを送りました。返信をくださったのがレアさんでした。11 月 13 日。初めてローリシェス社を訪問しました。ローリシェス社は夫婦が生まれ育ったスゴンザックに拠点を構え、ポール・ボー家から歩いて 5 分の距離です。レアさんとオリヴィエさんが温かくお迎えくださり、オリヴィエさんの父ギィさんにもお会いすることが出来ました。
レアさんに蒸留所をご案内いただき、テイスティングから BAR DORAS用のボトルの買い付けをし、その後に「あなたのコニャックを BAR DORAS プライベートボトルとして日本へ紹介したいです」とお伝えしました。元々ローリシェス社のコニャックを PB として輸入したいとの想いを持ちアポイントメントを取りましたが、先ずはお会いして目を見て気持ちを伝える、それが礼儀であり私なりの筋だと思っていました。
レアさんは快く受け入れてくださり、帰国して輸入スケジュールを組み立てて、希望する原酒の味わいをレアさんにメールし、カスクサンプルを送っていただくことをお願いしました。1970〜1990 年代蒸留原酒のカスクサンプルを送っていただいた中で、どのサンプルも素晴らしいコニャックでしたが、瞬時に心を掴んだのが「1985」年蒸留の原酒でした。私が選んだこの原酒は、母方ポール・ボー家の歴史を受け継ぐスゴンザックの畑から生まれたため、「ローリシェス」ではなく「ポール・ボー」の名を冠してリリースされることになりました。
2017 年、初めてポール・ボーを訪れた際、コレットさんから譲っていただいたリニュ・ドゥ・サミュエル。あの日から始まった私とポール・ボーとのご縁は、およそ 10 年という歳月を経て、「Paul Beau Cognac Lot n.85 pour BAR DORAS」という一本になりました。当時は想像もしていなかった未来です。
ラベルデザインについてもレアさんと何度もやり取りを重ねました。BAR DORAS の扉を象徴するブルーをキャップシールに採用し、日本市場向けの特別仕様を依頼しました。また、ラベル上の「Maison Laurichesse」の表記が小さかったため、日本のコニャック愛好家にポール・ボーとローリシェスの関係性がより伝わるよう、その存在を明確に表現したいという希望もお伝えしました。
この一本を通して、日本の皆様にもポール・ボーとローリシェス、二つの家系が紡いできた歴史と、その歳月が育んだ味わいを感じていただければ幸いです。
【テイスティングコメント】
樽決めの際、1970〜1990 年代蒸留原酒をテイスティングし、どの原酒も素晴らしい味わいでしたが、その中でもひと際鮮烈な個性を放っていたのがこの 1985 でした。選定に迷いなくこの樽を DORAS プライベートボトルに迎えることを決めました。
ユニ・ブラン種 100%、リムーザン産オーク樽熟成、ノンシュガー・ノンキャラメル、シングルカスク・カスクストレングス 53.3 度で 2026年 3 月ボトリングとなります。
グラスからの立ち上がりはまさに完熟パイナップルを思わせる圧倒的な貴熟香。そこへ美しく気品のあるエステル香が幾重にも重なり、華やかなアロマが一気に開花します。口に含むとグランド・シャンパーニュ地区らしい輪郭と厚みのあるボディの中には主軸のパイナップルに加え、黄桃やパッションフルーツ、マンゴーの果実味が重なり合います。艶やかな余韻も長く、果実そのものが熟成によって失われることなく、トロピカル・ランシオへと昇華した官能的なコニャックです。
ぜひ、Paul Beau(ポール・ボー)の世界観を未来へ受け継ぐ Laurichesse(ローリシェス)社の一本をお愉しみください。
Commented & tasted by Yasutaka NAKAMORI


