現在、アイラ島出身のデイビッド・ターナー氏が蒸留所所長を務めるボウモア。
ターナー所長は、ボウモアの独特のフレーバーは、自社でフロアモルティングした大麦によって生み出されていると考えています。ボウモアは2021年時点で、使用する大麦の25%~30%を自家製麦で賄っており、モルトマンが4時間毎に木製のシャベルで大麦をすき返ししています。
「蒸溜所を訪ねて、これが観光客用のパフォーマンスだと思う人もいます。でも実際には昼夜問わず作業が必要なので、深夜の1時や2時でも誰かが作業を続けています。2016年から100%フロアモルテッドの原酒も製造しており、将来的には限定リリースとして発売される予定となっています。」
ターナー所長曰く、ボウモアの樽は2003年以降、ブレンダーやボトラーに販売されていないとのこと。全く例外がない訳ではありませんが、確かにリリースはほぼなくなり、市場在庫の希少化からボウモアは高騰しています。
ボウモアが原酒の卸売りをやめた2003年からじきに20年。オフィシャル以外のボウモアがなくなる日も近いのかもしれません。卸売りをせず、手造り手作業を重視し、ますます職人気質になっていくボウモア。今後ますますの希少化が予想され、現時点で既に高騰はしていますが、今後さらに「あの時買っておけば良かった」となる可能性が高いですので、ボウモア好きな方はお見逃しなく。
本ボトルは、シグナトリー社からフランス、パリの「ラ・メゾン・ド・ウイスキー」社向けにリリースされた限定品。
シェリーバットで25ヶ月追加熟成。
<ラ・メゾン・ド・ウィスキー社:テイスティング>
香り:リッチでオイリー。魚の燻製、セージ、グリーン オリーブ、お香、クミン、ウェットでオイリーなピート、レモン、塩の香りが、神秘的な最初の香りとして表れます。エキゾチック(パイナップル、バナナ)、バニラ、スパイシー(コショウ、クローブ)になります。ますます薬(軟膏、湿布薬)になり、香りは絶えずより強力になります。ピーチとパッションフルーツが最後に登場します。
味 :生き生きとして、確固たる味わい。スパイシーでホット、オイリー、藁、塩分の多いピートが口内を包み込みます。非常にナチュラルでエキゾチック (パイナップル)、白いフローラルさ(ライラック、スズラン、ユリ) 、芳香植物(ディル、コリアンダー、チャービル、ローリエ)の香りが最後に広がります。
総合:余韻は長く、バランスがとれています。フィニッシュはスモーキーでアッシュ(灰)なスタート、クリーミーでバニラ (カスタードタルト)。ピートはかなりドライですが、海と塩味を維持しています。空のグラスはエキゾチック、フローラル、スパイシー、ピート、アース、スモーキーです。